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生物と無生物のあいだ

本屋をうろうろしていたら、福岡伸一先生の著書を見つけて、表題のベストセラーを思い出した。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

これの気に入っているのは「生物の本質は動的平衡である。」という主張。賛否両論あるのかもしれないが、このアクロバットなアイデアはスゴいなぁと感じた記憶がある。「人間はトポロジー的には筒(ドーナツ)と同じ」というジョークも思い出す。要するに視点を切り替えるというところが知的興奮の源泉のように思う。

動的平衡といえば、たとえば台風や竜巻などもその発生している時間帯を切り取れば動的平衡である。海からの温湿な空気をエネルギーとして強力な渦を発生させる台風と、食物という燃料を食べてあちこち動き回り、考える人間。こんな共通項を論じるところに面白さがある。

哲学に"マッハの視点"というのがあるが、すべての概念をいったん忘れて現実に見えるものを見る、というこの手法を、物質科学だけの視点で行ってみる。するとそこには酸素とか窒素とかがあちこちに飛んでいるものが見えるはず(大気だから)。そうしてみると、人間もCやHやOの塊に過ぎない。であれば、台風の数値シュミレーションによる予測と同じように、人間という物質のモジュールを組み込めば、次の動作が予想できるのでは?っとラプラスの悪魔的思想を思い起こさせる。

結局、複雑系というややこしい奴と、どこに行っても対峙することになるのだ。